テクニカル分析において使用頻度も高いオシレーター系のインジケーターである「RSI」について解説をしていきます。
最初にざっくりと伝えるとRSIは見ている銘柄が「買われすぎているのか」「売られすぎているのか」を判断するのに役立つ指標となります。
正式名称は「Relative Strenght index」といって日本語では「相対力指数」と訳されるケースもあります。
RSIの動きを見て現在の相場の過熱感であったり…売買の水準を判断して今後の値動きの根拠を判断する一つの材料として活用します。
オシレーターは振り子、振り幅といった意味を持ち、テクニカル分析において相場の「買われすぎ」「売られすぎ」を判断する分析方法になります。オシレーター系インジケーターの代表としてはRSI、ボリンジャーバンド、ストキャスティクスなどがよく利用される代表格。
RSIでは何が分かる?
RSIでは見ている時間軸での相場の動きが「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」なのかを判断する事が出来ます。
RSIのインジケーターを利用すると縦軸のメモリに数値が記されています。基本は50を中心として考えて50より下は売られている。50より上は買われている。
そしてRSI値が70~90の場合は買われ過ぎていると判断。逆にRSI値が10~30の値を示していれば売られ過ぎていると判断します。
- RSI値が70以上は買われ過ぎと判断
- RSI値が30以下は売られ過ぎと判断
RSI値は0%~100%の値で推移して0に近いほど相場が弱く、100に近いほど相場が強く過熱感が出ていると判断されます。
相場が買われ過ぎていれば売られていく。売られ過ぎていれば買われていく。このように多くの投資家が判断する為、値動きとは逆の投資行動を取る為の指標として使われ、逆張りをする指標とも言われています。
RSI値を見て買われ過ぎていると判断すれば売られるのでショートポジションを取る。売られ過ぎている場合は今後買われると判断してロングポジションを取る。
このように現在の値動きとは逆を想定してポジションを持つ指標となります。
RSIはダマシも多いので注意
RSIを見て買われ過ぎているからショート。売られ過ぎているからロングといった考えで安易にポジションを持つのは危険。買われ過ぎラインや売られ過ぎラインにRSI値があっても相場が進行方向へさらに進むダマシのケースも多く存在しています。
あくまでトレンドツール、オシレーターツールは一つの根拠を示す指標でしかありません。RSI以外にも相場の値動きを示す根拠を必ず探して分析してエントリーするポジションを明確化させていきましょう。
特に強いトレンドが出ている時はダマシが発生しやすいので注意をしておきましょう。
RSIは保ち合い相場で効果的
強いトレンドが出ている時のRSIはダマシも発生しやすく指標として根拠が弱い場合があります。
逆に保ち合い相場(レンジ相場)と呼ばれる上昇トレンドでもなく下降トレンドでもない上下を行き来して横ばい相場の時に効果的な指標とされています。
このようなケースはRSIの値が買われ過ぎ、売られ過ぎといった水準で反発しやすく合わせやすい傾向があります。
上のレンジ相場のチャートを見てもらうと非常に素直にRSIと相場の値動きが連動している事がわかると思います。
また分析する時間軸によってもRSI値に違いが出てきます。基本的に長期から短期へ時間軸を見ていくのが基本なので様々な角度から分析して有効活用するようにしましょう。
RSI上のダイバージェンスで相場の転換点を把握
RSIと相場価格が逆行する現象を「ダイバージャンス」と言います。
相場価格を示すローソク足は高値を切り上げて更新されていきますが、RSIは買われ過ぎ水準に達して下降をしています。
このようなダイバージェンスが現れると「下落サイン」と判断される傾向にあります。相場は高値を更新していますが実際は相場の過熱感が冷めてきていると判断。そろそろ下落する可能性あると頭の片隅に捉えておきましょう。
- 価格は高値更新
- RSI値の水準は下降
- 相場が下降するサインの根拠となり得る
あくまでRSIは根拠を示す一つの指標。ダマシのダイバージェンスもあるので過渡に信用するのは危険です。
一方、下落サインを示すダイバージェンスがあるなら上昇を暗示するダイバージェンスのサインもあります。
下落サインとは逆で相場価格は下がっているのにRSI値は上へ向っている。このような強気ダイバージェンスが現れた場合は下降トレンドを抜けて上昇トレンドへ転換する一つの根拠とされています。
- 価格は安値更新
- RSI値の水準は上昇
- 相場が上昇するサインの根拠となり得る
但し、このようなダイバージェンスが出現してもあくまで根拠の一つ。過信してロングポジションを持つと痛い目を見るケースもあります。
必ず他の分析ツールを組み合わせて根拠を増やしたり、根拠の信頼性を高める努力をしましょう。
RSIと相性の良いオシレーターはMACD
RSI単体では根拠が弱かったり、ダマシに反応できないケースもあります。RSIは他オシレーター系インジケーターと組み合わせて使うと弱点を補ってトレードの幅が広がっていきます。
その中でもMACD(マックディー)はRSIとの相性が非常に良いとされています。
レンジ相場に強いRSI。トレンド発生時に強いMACDを活用して二つの指標を駆使して相場の値動きを分析するとさらに根拠が信頼性が増していきます。
MACDに関しては別記事で解説をしたいと思いますが…トレンド系テクニカル指標、オシレーター系テクニカル指標は一つ、一つの根拠や指標の有効度や信頼性が低くても組み合わせる事で多くの根拠を分析、信頼性を増す事ができます。
RSIは非常にシンプルでわかりやすく初心者の方もすぐに活用できる指標の一つですが頼りすぎず必ずローソク足や他のテクニカル指標も分析して相場の値動きを判断するようにしましょうね!